四国八十八箇所、雪蹊寺のすぐ近くにこの物件はある。
山奥でも、ラブホテル密集地帯でもない場所の国道沿いに、
ハリボテのような安っぽいお城風の建物が見えてくる。
場違いな外観のわりに、規模は小さく、部屋数も少ない。
駐車場部分は資材置き場に利用されているようで、
ほとんどが資材で塞がれていた。
しかし、入ることができる部屋がいくつかあり、
客室の内装は外観に引けを取らない
ゴージャスな雰囲気を醸し出していた。
各部屋にある風呂場は狭く、
バスタブも小さかったが、
鮮やかな色合いにしばし見入ってしまった。
現役当時は、似非洋風なインテリアが
煌びやかな空間を演出していたのだろう。
廃墟となった今は、妖艶な色と
崩壊の跡が絶妙にマッチしており、
不思議な美しさがある。
大きなプールがある部屋もあり、
小規模ながら見所がぎっしり詰まった良物件であった。
●ホテル皇邸
高知県高知市/2006年11月/丈平あんこ
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