2008年10月のとある晴れた日の午後、
元愛知県漂流編集部の遠藤文庫氏の案内のもと、
僕は長野県を訪れました。
その時、某観光施設のベランダに鳥の死骸を目撃しました。
天寿をまっとうしたかのような鳥の死骸には、
傷ひとつなく、とても神聖なもののように思えました。
自分んちで発見したら、
丁寧に埋葬してあげたくなるようなヤツでした。
観光施設をひと通り見終えて、
受付のおばあちゃんとともに外に出ると、
さっきまでベランダにあった鳥の死骸がありません。
おかしいな、と思ったけど特に気にも留めませんでした。
そして地階に降り立ってみると、
ベランダの真下に鳥の死骸が移動していました。
おやおや。
誰かの手によって落とされたんでしょうか。
すると、受付のおばあちゃんが、
片手にホウキを持って、
鳥の死骸に近づいてゆくではありませんか...。
何がはじまるのだろう...。
とりあえずコトの成り行きを見届けようとすると...
なんと、落ち葉やごみを掃くためのホウキを用いて、
鳥の死骸を掃きはじめました...。
その鳥の死骸、ベランダにいたヤツですよね...とたずねると
「そうだで。わしゃ、下にほうったんよ。
ゴミ屋さんが運びやすいように」
と、少しのためらいもなく、告白してくれました。
鳥の死骸の位置を決めるべくして、微調整に入りました。
ゴルフでいうところのパターのような感じです。
仕上げに、鳥の身体をホウキでツンツンしてました。
おばあちゃんは、とても親切で
愛嬌があって素敵な方でした。
鳥の死骸を落下させて、ホウキで掃いたとしても、
それは変わりません。
●鳥の死骸をコロコロ掃除するおばあちゃん
長野県にて/2008年10月/サカイ
コメント(2)
これ、日本歴○館ですね。
私もこのおばあちゃんとお話しをしました。
かつてご主人が九州の某炭鉱で働いていて、退職後に長野に戻り、以来ずっとここの受付をしていると言っていました。
●ほいじんがさんへ
さすが、ほいじんがさん!
ほとんど施設うつってないのに、ご名答です!!
しかもおばちゃんのディープなマメ知識を
教えていただきありがとうございます(笑)
生死をかけた毎日を送る炭鉱マンの嫁だからこそ
平然と死骸をコロコロできるのでしょうか……
(イシカワ)
コメントをどうぞ