ここは素晴らしい。
温泉マニアの間では、秘湯として知る人ぞ知る川辺温泉。
私は、この偉大なる大地に温泉を掘り、
ダイナミックな巨木建築を築き上げた、
オーナーの鯵坂氏(74歳)にお話を聞くことができた。
元々石積工であった鯵坂氏は、石積みされた石の上に敷く芝に注目。
芝の植え付けをはじめ、造園業の経営をするに至った。
しかし...
「石には興味がなかった。
石は外国にかなわないからな。
芝も面白くない。
時間が経っても芝は芝のまま変わらないからな。」
そこで鯵坂氏が注目したのが巨木。
木を使った建物なら、石造建築と違って
はなから外国に負けることはないし、
木であれば、時間が経過すればするほど
風格と味わい深さが出ると考えたという。
1964年に地域一帯では初となる温泉の採掘を開始。
1970年頃には現在の原形とも言うべき温泉施設を開業している。
私が、鯵坂氏ってすげえよなあ!と感服したのは、
巨木を扱い始める時に、グローバルな視点に立って、
海外を含めた世界中で、唯一無比なモノを
作り上げようと考えていたところだ。
鹿児島県の小さな町に暮らしながらも、
頭の中に地球儀があるような国際感覚。
そして、インターナショナル番外地とでも評したくなる、
世界中のどこにもない建物を一人で夢想し、
築き上げるパワー。本当に凄い。
世界のクロサワ(映画)とか、世界のナカタ(サッカー)などと同列に、
世界のアジサカ(巨木)と称したくなるほどだ。
しかも、これほどにまで巨木に情熱を注ぎながらも、
「木に関心はないけど、木が私のことを好きなんだよ」と、
冴えまくるジョークで一笑しちゃうクール&ドライっぷり。
規格外の奇才と言えよう。
別れ際に、鯵坂氏はこう言った。
「真似をされるようなことはしない。それが私の考え」
う~む。反論の余地は、まったくもってない。
なぜか大仏さんがでで~んと鎮座している。
ここは、あまり深く考えないようにしたい。
奇抜で豪快な巨木建築で出来た川辺温泉。
屋根で押し潰されちゃいそうな、不思議な造り。
建屋、門、脱衣所まで巨木の幹や根っこで、仕上げられている。
門の外で、軽やかに走り回るのは、お孫さん。
ヤンキースの帽子がお似合いの鯵坂氏。
当日、高熱だったのにも関わらず親切丁寧に対応していただいた。
男湯の入口。
鯵坂氏の巨木を用いて作られた仏像が飾られている。
女湯。左端に川辺温泉のマスコットとも言うべき、
メットを被った仏様がいる。
浴場は、鯵坂氏のかつての技術が生かされたということなのか、石造りである。
泉質もよく、お肌がつやつやになります。本当だよ!
内部から外を写す。
天井に骨太な巨木がでで~んとあった。
●川辺温泉
鹿児島県南九州市/2008年5月/サカイ
ガッツン気合いの入った怪湯ガイド。
コメント(1)
Ich werde auf jeden Fall für Ihre Internet-Seite zurückkehren, um weitere Artikel zu lernen, wenn ich liebte ihnen besonders ..
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