謎の祈祷所後編です。
一階のいかがわしい部屋を探索し終え、
昭和っぽいすりガラスを開けて、
洗面所の方へ向かう。
丸いタイルが可愛い。
「夜間の入浴は八時までにお願ひ」
も、可愛い。
浴槽in浴槽状態で、
風呂場は混迷を極めていた。
祈祷師たちは何かにつけ、面白いコワザで、
人生とは、かくも楽しいものなのだ、
と押しつけがましく説いてくる。
二階へ上がる階段を見つけた。
崩壊が進んでいて、壁も取れそうな二階部分。
風とおしがよく、非常に開放的な和室。
部屋の名前だろうか、「竹」と書かれた板。
その他にも「扇」などがあった。
祈祷師たちは、旅館も経営していたのだろうか。
宴会場のような大きな部屋だ。
廃墟なのに、ほどよく整理されているのが、
なんとなく嫌な感じだ。
何か面白いものが落ちていないかと
歩き回っていると、
発見!
一階の怪しげな部屋の謎を解く資料。
やはりテレクラだったようだ。
iモードうんぬんとあるので、
00年代に営業していたのだろう。
「本システムはドコモiモード携帯電話を利用し、
出会い系サイトで「メル友」を地域の「掲示板」で相手を探し出し、
Eメール交換を行い、その相手に対し「ボイスメール」の
"伝言BOX番号"を通知し、
その相手からも"伝言BOX番号"の通知を受ける。」
システムの運営内容ではなく、
一生懸命書いた、ということだけが
ひしひしと伝わってくる説明書の文面に、
胸が熱くなった。
メールでGO
という、
画期的なシステムを編み出した祈祷師たちは、
旅館経営、人生相談、を経て、
エロ、という更に業の深い商売に
手を染めていったようだ。
坂道を転がり落ちるような
ドラマチックな運命を辿った
祈祷師たちと、この施設の残骸は、
現在でもまだ人生相談所として
訪れる人々の心を揺さぶり続けている。
~完~
●観音寺別院
新潟県/2009年11月/丈平あんこ
在庫僅少!!
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