塩尻からコンニチハ。
遠藤文庫でございます。
わが町の田舎で起こった事件を、
まったりとご報告いたします。
さて、本日も日の暮れた夕時から
「そろそろ仕事しなきゃまずいよな?、社会人として」と、
のそのそと家を出ましたら、せっかく絞り出した私のやる気を
「お前にはまだ早い」と言わんばかりに、
行く手をはばむものがあったのです。
それは、一本の電柱でした。
路地に、でーんと横たわって、
完全に道路をふさいでいます。
電線はつながれたまま、
街灯は粉々にくだけていました。
木製の電柱は、根元が完全に腐りきって、
スカスカのボロボロ。
いつ倒れてもおかしくない、
見かけ倒しの役立たずだったのです。
(あぁ、これは俺だ。俺の人生だ。)
倒れた電柱の前で立ち止まってはみたものの、
何もできず、完全な"でくのぼう"となった私。
そのまま放っておいて先へ行く訳にもいかず、
かといってどうしたらよいか分からないので、
とりあえず警察に電話。
すぐに駆けつけてくれはしましたが、
「こりゃ、中電(読み:ちゅーでん、意味:中部電力)
来んきゃ分からんぞ」
と電線の先を見上げるばかり。
つづけて、歩いて駆けつけた近所のおじさん。
「市役所のもんだけど、一杯飲んじゃったもんで」
いらない情報をきちんと報告。
パトカー2台に、交通安全課、市役所職員と地元新聞の記者。
おじさんたちがいっぱい集まって、急ににぎやかになったものの、
中電(読み:ちゅーでん、意味:中部電力)が来るまでは、
何をしていいか分からない人たちばかり。
「ザ・手持ち無沙汰」といった感じ。
それでも、そこは社会人。記録をとったり、
近所に聞き込みに行ったり、管理は誰だ、
市の管轄か、区の管轄か、区長は誰かと責任の所在を追求してみたり。
みんな、自分の役割をこなし始めるではありませんか。
新聞記者は、市役所の職員に電柱とは全く関係ない、
別件の取材を入れている。ヌカリ無い。
そして、私は、ただただ見守るばかりです。
(倒れた棒 見守るだけの でくのぼう
解説:人間やることがないと、五七五で考えることまでする)
ようやく、待ちに待った中電が到着。若いお兄さんでした。
慣れた手つきで、パッパと片付け、みんなで電柱を移動。
何事も無かったかのように、静かな街が再びあらわれた。
男たちの仕事は いま終わったのだ。
帰りがけ、中電の若いお兄さんが、缶コーヒーを買っていました。
ひと仕事を終えた男に、缶コーヒーはよく似合います。
私はと言えば、結局仕事もせずに、そのまま家に戻ったのでした。
あぁ今日も平和に夜が更けていく。
●電柱事件
長野県塩尻市/2013年2月/遠藤文庫
コメント(3)
たまにのぞきにきてるものです。
事故に巻き込まれなくてよかったですね!
引き続きれぽお願いします。
たまにのぞきにきてるものです。
事故に巻き込まれなくてよかったですね!
引き続きれぽお願いします。
がちゃ様
コメントありがとうございます!!
コメントが欲しくて、レポ書いています。
(ボクの場合)
これからも、面白いレポ書いてゆきますので、
よろしくお願いします!!
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