平日の夜、のんびり風呂に入っていると、踏切事故の一報が入った。
慌てて風呂を飛び出し、現場へ向かう。
名鉄名古屋本線の踏切で、乗用車が線路内に入ったらしい。
幸い、電車は緊急停止していて、乗用車と接触はしていない模様。
おじいちゃんが踏切で左折。
軌道敷の上を、エンジンが焼きつくまでアクセルを踏み込み、
20メートル以上も暴走していた。
自分が到着した時、人力で車を押し出している最中だった。
現場に警察官の怒号が響く。
「レッカー着いたけど、どうされる?まあ好きなようにしてよ」
「もう勢い余っていってまうってか?どちらでも、どちらでも」
ケガ人がいなかったためか、現場は想像以上に和やかな雰囲気だった。
結局レッカーに頼らず、人力であっという間に押し出した。
先ほどの警察官「やった、凄い!終わってしまった......」
無事に解決したのに、ちょっと残念そうな様子だった。
車を安全な場所まで移動させる。
ちなみに押し出している人たちは、誤報により出動し、
たまたま現場に居合わせた消防職員。
本来の仕事ではないが、指揮隊、消防隊、レスキュー隊、
そして救急隊まで、居合わせた全隊が一丸となって車を押していた。
そして、運転していたおじいちゃんから事情聴取がはじまる。
「おじいちゃん、そろそろ自宅の電話番号思い出したかな?」
そりゃ、踏切で左折もするはずだ。
おじいちゃん、危ないからもう運転しないでね。
線路内から車を押し出した数分後には、電車の運転が再開された。
ようやく到着した土木課の職員「車入ったそうですけど、設備の損傷は?」
「大丈夫やろ。こんなもんで止めとったらいかん。
とりあえず1本通すで。最徐行でな」
反対方向の電車も、最徐行で順次運転を再開。
何本か通過したあと、線路点検が実施された。
最初の警察官も、それを見守っていた。
「物損事故の相手は何にすりゃええの?
何て書いとこう?とにかく何か書いて残さにゃいかんもんで」
点検の結果、「暗くて、朝にならないと分からない」という結論に達した。
その結論をもって徐行運転は解除され、平常運転に戻った。
遅れを取り戻すべく、猛スピードで特急が通過してゆく。
名鉄の事故復旧の早さは、ハンパないなと実感した。
警察も名鉄も、ほのぼのとした雰囲気の現場だった。
●THE・現場「線路を車が暴走!」
某所/2012年4月/よごれん
コメント(1)
よごれん隊長
パトロールおつかれさまです!!
今までの事件と違って、ほのぼのしていますね。
しかし、おじいちゃん、線路を車で突っ走るって
凄いですよね。
一歩間違えれば大事故だったのに、
無事でなによりです。
でも、なんで線路を走ろうと思ったのかなあ…。
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