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樺太工業真岡工場(王子製紙真岡工場) 第1回

2011年01月 | CATEGORY : 産業遺産大(炭鉱・鉱山・工場) | COMMENT(0)

樺太の南西に位置する小さな港町、ホルムスク(真岡)。
日本時代には、終戦直後にロシア軍の侵攻を受け、
電話交換手の女性9名が集団自決した
真岡郵便電信局事件でも知られる、悲しみの町である。

樺太という土地がロシアに帰属し、
関係が閉ざされていた時代が長かったこともあり、
樺太、真岡で起きた惨事について、あまり語られることがない。

この真岡は、侵攻したロシア軍によって戦火を浴びた被災地で、
多数の犠牲者を出した「日本本土最後の地上戦の地」である。


そんな真岡(ホルムスク)の町に、
樺太工業真岡工場(王子製紙真岡工場)跡が残っている。

州都ユジノサハリンスクから車で約三時間、
小さな商店やマーケットが並ぶ海沿いのメイン通りを南下すると、
線路と海に挟まれた埋立地に、異様な雰囲気の廃墟群が林立している。

敷地の南側の一部施設は転用され現在も使用されているが、
大半の建物は廃墟と化している。
市街地から徒歩圏内にこのような巨大廃墟が現存していることに驚く。
 
 
 

廃墟の敷地の一部は、駐車場として活用されていた。
駐車場の管理人に許可をもらい、いざ探索開始。
 
 
 

さあ、建物に入るぞと思ったとき、赤茶に錆びた筒状の建造物に、
白色の斑点模様が出来ているのに気づいた。
キレイだなあと思って近づくと、なんと白い斑点は無数の羽虫だった。
 
 
 

気を取り直して、建物に入ります。
駐車場に繋がっている階段から、すんなり入れました。
 
 
 

内部はほとんどがもぬけの殻となっていて、建物に残る金目のモノは盗み出されていた。
私が訪れた時も、錆びた鉄を剥がして持ち帰ろうとするサハリン版アパッチ族の親子を目撃した。
 
 
 

天井近くの壁と地面の両方からパイプが顔を出していて、
剥がれた壁から、地の素材である軟石と煉瓦も顔を出している。
かわいらしい空間。
 
 
 

屋根の骨組みだけが残って、空に模様を入れている。
 
 
 

迷路のように続く渡り廊下。
ほぼ全ての窓が、陽光を遮ることがないので、
内部の雰囲気は思いのほか明るい。
 
 
 

廊下から見た、外観風景。
巨大な遺跡のようた。
 
 
 

頑丈にみえる階段も、ご覧の通り崩落していた。
 
 
 

この場所も、元々は屋根があったんだろうなあ...
 
 
  

あの塔のなかに入れるのだろうか?
 
 
 

入れました。
種類の違うパイプが、天井から顔を出していました。
続く
 
 
 
●樺太工業真岡工場(王子製紙真岡工場)
ロシア・サハリン州ホルムスク/2007年8月/サカイ
 
 

ほんのちょっと売れたよ。
これ見て買ってくれた人、ありがとう!!

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