ポロナイスク(敷香)にある
日本人絹パルプ敷香工場(王子製紙敷香工場)のついでに、
レオニードボ(上敷香)に立ち寄った。
上敷香には旧日本軍の軍事施設が数多く残っているという。
旧日本軍が駐屯していた上敷香の集落は、
使い込まれて古く痛んだ平屋の建屋が、
バラック街のようにして密集していた。
兵舎や将校官舎に、戦後、そのままロシア市民が住み着いたのだろう。
その住宅地を通り抜けた場所に
旧日本軍の軍事施設と呼ばれる建物が残っていた。
使われることもない建物の残骸がいくつも点在している。
遺跡のようなたたずまい。
通訳のシェーガイ老人は、この丸い形を見て、
「将校たちの社交場だったんじゃないかねえ」と推測。
いかんせん、資料もなければ、
推測をたてるだけの残留物も発見できないので、
困ってしまいます。
「お前は、本当に戦跡に興味があるのかい?」と、
建物から問いただされている気分です。
「ヘイヘーイ、オレ様が何でギザギザしているか分かるかい?」
「分からないでございます」
貴重な戦跡に、牛がいました。
実際のところ、遺跡と化した建造物が、いくつも残っているだけで、
なかなか価値が見出せませんでした。
少し離れた場所に、謎の建造物かがあったので、
通訳のシェーガイ老人にあれは何だろうと聞いたところ、
「なんでもいいじゃないですか」と言われたので、
まあそうだなと思って、この場を立ち去りました。
●レオニードボ(上敷香)の旧日本軍の軍事施設跡
ロシア・サハリン州レオニードボ/2007年8月/サカイ
マニアックなこと言うと、
フォントがかっこいいんです、この本。
ちょっと前の本だけど、面白かったよ。
ゆっくり紀行文とか読みたいよね。
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