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浅野祥雲作品再生プロジェクト修復活動レポ「息ふきかえす五色園

2011年01月 | CATEGORY : B級スポット | COMMENT(6)

「五色園」
珍スポット愛好家であれば一度は耳にしたことのある場所だろう。

 

愛知県日進市、大安寺の周囲に広がる20万坪の公園
(ほぼ山まるごと!)のなかで、
東海珍スポットの父・浅野祥雲氏のユニークなコンクリート像を
100体以上鑑賞することのできるマニア垂涎の地である。
  
  
  

身長2m以上のカラフル・ポップな像達が、
浄土真宗の開祖である親鸞の生涯や
仏教の教えを等身大以上の巨大な迫力で語りかけてくれる。
春には花見客で賑わう、地元民に愛される場所であると同時に、
日本で唯一の宗教テーマパークでもあるのだ。
 
 
 

説明看板を読まないと「何だコリャ?」なシーンも多いけれど...。
あえて説明を見ずにどんなシーンか想像するのも楽しい。
 
 
 

そんな魅力的な彼らであるが、
ペンキが剥がれてコンクリートの肌がむき出しになり、
ペンキでカバーされなくなった隙間から浸入した雨水で
内部の鉄筋が脆くなって手首が崩れ落ちたり、
経年劣化が目立つ。
なんとかしてやれぬものか...。
 
 
 

前々からそう思っていた私は、
11月中旬に企画された「五色園第三次修復活動」に
ボランティアとして参加してきた。
これは2009年の秋から半年に1回のペースで行われている活動であり、
祥雲作品を愛する者なら誰でも参加することが出来る。
 
 
 

今回2日間かけてお色直しされたのは
「鈴虫松虫剃髪の得度」のシーンの8体(+αで別シーンの腕の取り付け)。
色恋沙汰でスキャンダルになった鈴虫・松虫姉妹が出家する場面である。
 
 
 

 
修復作業は、作者・浅野祥雲氏のご子息でもある
プロの職人さんのご指導の下、
本格的に進められる。
 
 
 

 
職人さん達による像表面の洗浄後、
まずは工具を使って古いペンキを剥がしていく。
地味で腕が疲れる作業だが、大切な工程である。
もし古いペンキを剥がさず新たにペンキを重ねると、
それは塗った途端に古いペンキごと
すぐにバリバリ剥がれて悲惨な結果になるからだ。
 
 
 

 
ペンキ剥がしでは、昔使われていた色や模様が露出するのが見えたり、
ペンキに埋まっていた顔のパーツが
実はよく彫りこまれていることに気付いたりする。
 
 
 

コンクリート像が「スッピン」になる、
新たな発見が多い工程でもある。
参加者同士で完成当時の色などを推理しつつ
和気あいあいと作業できた。
 
 
 

 
これは、某バラバラ殺人事件の...ではなく、
手首がもげてしまった像のために職人さんが作った力作である。
  
   
   

  
大きなヒビ割れがあればパテで埋め、
全体にシーラー(下地剤)を塗る。
ここまでで1日目の作業は終了。
    
    
   

 
2日目のメインはペンキ塗りだ。
  
 
  

 
美人姉妹が鮮やかに塗りなおされていく。
それぞれの色は、ペンキ剥がしの過程で判明した昔の色や
写真資料を参考に慎重に決められている。
   
    
   

関係ないけど...
白目だけ色が入って瞳の色が入ってないと
少女マンガの「ひぃぃ~っ!」ってシーンみたいじゃない?
 
 
 

 
瞳を入れる、緊張の瞬間。
  
 
 

「真面目に、でも楽しく」という目標通り、
修復現場は緊張感と共に面白さで溢れている。
 
みんなでワイワイと、でも真剣に作業するうちに、
ボロボロだったコンクリート像達が息をふきかえしていく。
以下、劇的ビフォーアフターのBGMを聴きながらどうぞ。
  
  
  

バリバリと剥がれたペンキのせいで
ひどい肌荒れだったコンクリートのお坊さんが...
  
  
  

何ということでしょう...!キリッとした目元が素敵なイケメンに...!!
  
  
  

 
背中に大きなヒビ割れがあるからお嫁に行けないと嘆いていた彼女も...
  
  
  

何ということでしょう...!
姉妹揃って10歳若返ったようです...!!
  
  
  

「終末物件の修復」と聞けば、終末物件愛好家は眉をひそめるかもしれない。
私自身、終末感のある珍スポットが大好きだし、
そういう場所が現代風に改造されて以前の姿を失っていくのは悲しい。
ただ、魂こめて作られた像達が
そのまま雨風にさらされ朽ち果ててしまうのはもっと悲しい。

このまま劣化が続けば崩れ落ちるのは手首だけではなくなり、
像自体が倒壊する恐れが生じる。
そうなってしまえば安全面を考慮してコンクリート像が
全面撤去される可能性だってある。

「大好きな作品を後世に残したい」
これは修復活動参加者の思いであり、
五色園の管理者や祥雲氏のご子息の方々の思いであり、
そしてきっと作者・祥雲氏自身の思いでもあると思う。
 
 
 
●五色園
愛知県日進市/2010年11月/知扇
 
 

五色園修復イベント主催者、大竹敏之さん著。

コメント(6)

知扇ちゃん
 
 
素晴らしいレポートありがとう!!!!
 
単にペンキを塗り足すだけではなくて、
本格的な修復作業だったんですね。
 
特にビフォー・アフターの写真が、
ダイエットとかの比較写真みたいで、
最高です。
(超貴重な写真ですよね、これは!)
 
 
僕も、終末物件が大好きなので、
リノベーションされた物件は好きではありません。
 
しかし、今回のプロジェクトは、
何か他の要素を付け加えたりせずに、
あくまで原状復帰を目的としているので、
とても好感が持てるプロジェクトであり、
喜ばしい事だと思います!!
  
だけど、瞳を書き入れる作業は、
緊張しそうだね?!!

手は流石に直した方がいいけど
瞳は入れないままでも良かったです。
冗談です。

それにしても大仏が寝てて
侍が斬ろうとしてるのは
意味が分からなくていいですね。

ゴッドタンを見ていたせいか、

1枚目の写真が、バナナマン日村にしか見えません。

半廃墟と化していたのに、
こんなに綺麗になるんだね、すごい!

これで100年後には、いい感じの終末物件になってるね。
終末物件は、昨日あったものが明日無い、そんなとこだよね。
できれば長いこと生きててほしいなぁ、五色園。

(春吉)

こんばんは。
ともしゃんの記事は相変わらず
すばらちい!です!
ワケも念願かなって参加致しました!
はがしていく作業の中で、過去にも
ペンキを塗り重ねた痕跡があり、見えてなかった着物の
細かな柄などがでてきた時は思わず歓声があがったり。

終末感には惹かれるけど
やっぱり完全に朽ち果ててしまったら
何も残らない。写真はのこっても
やっぱり先生の作品は実際目の当たりにして
凄さを体感しますね!

ともしゃん撮影班しながらの修復、お疲れさまでした。

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