talkin'trashイルカ先生と行く、ほっこり廃墟ツアー1軒目「ゆ●ら阪神」
宿泊施設の廃墟(ホテル・旅館), 廃墟大図鑑 | 2010.10.04
『talkin'trash』
惜しまれながら逝った伝説の廃墟探索サイトの管理人、
イルカ先生とともに広島、岡山の廃墟探索に出かけました。
尚、『talkin' trash』の説明は省きます。
八画文化会館では「イル・カポネ」名義の
おもしろ投稿でお茶の間を賑わしているイルカ先生ですが、
一歩廃墟に足を踏み入れようものなら、さながら刑事コロンボです。
些細な残留物も決して見逃しません。
車中では、
「残留物が語る物語に耳を傾ける」と自身の探索スタイルについて
静かに語っていました。
早朝から岡山のストリップ劇場の廃墟に向かい、
湯原温泉で迷子になっていた時のことです。
看板の文字が半分落ちてしまっているホテルを発見しました。
近づいてみると、イルカ先生が言います。
「すごく、たわんでいる。これは廃墟です。」
ラスタカラーで本日も空室があると言われたので、
喜んで入室ようとしました。
ところが、どこもふさがっていたので、
イルカ先生が忍者のようなアクロバットなかたちになって、
様子をうかがってくれたので、無事に入れました。
入室すると、まずは調理場があります。
ロビーの方に行きます。
木彫りの置物は、定番の熊にシャケの組み合わせではなく、
虎の木のぼりの様子を写し取ったものです。
左を向くとフロントで、
右を向くと喫茶&スナック、そしてカラオケもできる、
ラウンジコーナーです。
二階のこざっぱりした客室部分。
イルカ先生ときたら、こんなシンプルの極みのような部屋にまで
きちんとコメントをいれていらっしゃる。
私も早速何か書かなくてはと思ったけれど、
あと10個ぐらいよぶんに扇風機でも置いてない限り、
この部屋の特徴はつかめないと思い、先生は偉大だと思いました。
私も電気の傘が気になりましたが、
こんなにアップで撮ってしまったため、どこにあったかわからなくなりました。
大広間に行きます。うっかりまたアップで撮ってしまいました。
食卓に並んだご飯のうえに布巾がかかっているような、
ほっこり廃墟ツアーにふさわしい、ほっこり内蔵型の舞台に
歓迎されました。
落合に副業禁止令が出ていました。
ウォータースライダーです。
流しそうめんです。
イルカ風を装ってみましたが、無理がありました。
浴場からやり直します。
入るとすぐにチープな水車の置物とかが置いてある、
ちょっとしたどうでもいい空間があって、
そこに貼ってあった「露天風呂番付」です。
西の横綱には、もちろん「湯原」の文字が
堂々と輝いていました。
イルカ先生は、この西の横綱ゆ○ら温泉に、
露天風呂がないことを電光石火の一撃で見抜いていましたが、
私は露天風呂かどうかに考えが及ばなかったうえ、
一階の方の浴室をひとつ見逃していたことに、
いま気づきました。
脱衣場です。
汚くて豪華で綺麗でした。
浴場です。ここに流しそうめんがありました。
さすが西の横綱「湯原」です。
非常にシンプルでそうめん以外に、
見どころはありません。
浴場に飽きてしまい、すぐ戻ってきました。
紫色の螺旋階段が非常に美しいです。
イルカ先生は、三脚を立てて納得いくまで何枚も
撮っておられました。
私も先生の教え通りに、
気合いを入れて何枚もシャッターを切ったように
記憶していましたが、驚いたことにこのアングルは、
この一枚だけでした。
自分のなかで、一発OKが出たのだろうと思います。
これは「イルカ撮り」※という手法で撮ると
うまく撮れるアングルです。
この写真は「イルカ撮り」ではないので、
うまくありません。
※カメラを三脚に固定し、
三脚の足を持って空間にカメラを差し出す。
セルフタイマーにしておけば、
螺旋階段の真ん中からいい具合でシャッターが切れるという寸法。
3階で特筆すべきなのは、
このフォントと、
紫色の絨毯だけです。しかし絨毯は3階だけではなく、どこにでも敷いてありました。
屋上への道はふさがれていて、
後回しにしようと思っていたら
行くのを忘れてしまいました。
1階に戻って管理人室をパトロールしていたら、
岡山の名産品、桃太郎もパトロールしていました。
敵は暴力団です。
気の利いた残留物は見つけられず、
コロンボへの道のりの遠さを実感しました。
落ちていた新聞が2009年の暮れのものだったので、
比較的新しい廃墟のようでした。
イルカ先生との旅は、まだ幕を開けたばかり。
ほっこりツアーは続きます。
●ゆ○ら阪神
岡山県真庭/2010年9月/イシカワ