廃墟、珍スポット、レトロな街並みなどを案内するインディペンデントマガジン『八画文化会館』(八画出版部)のウェブサイトです

京丹後市の化粧地蔵

B級スポット, 終末観光 | 2012.10.03

kesyoujizou12.jpg

丹後半島をドライブ中、
灰色の岩肌に明るい光が輝いているように見えた。
はてさて目の錯覚かな、
頭だけでなく目も悪くなったのかな?
と自問しながら、
車を引き返してみると、
タップリとペイントされた地蔵さんがいました。



いきなり後日談ですが、
家に帰ってインターネットで調べてみると、
ワンダーJAPANなどの連載で著名な
小嶋独観さんのホームページ珍寺大道場の
「化粧地蔵ツアー」というコンテンツに行き着きました。
お地蔵さんに、子供たちがカラフルな色を付けるというのは
「化粧地蔵」という風習だそうです。
京都をはじめ関西と東北の一部に残る風習なのでした。

珍寺大道場では、
実にユニークでシュールな化粧地蔵が
たくさん紹介されているので、必見です。

そして、私が旅すがらに偶然発見した
化粧地蔵さんも紹介したいと思います。


kesyojizou01.jpg

車道の岩肌に、妖精のように光るモノを発見。
コロボックルかしらん?


kesyoujizou02.jpg

蛍光塗料でしょうか。
背後のスライムのような黄緑色が素敵です


kesyoujizou03.jpg

車道の別の場所にて。
ツタンカーメンのような模様ですが、
顔の表情はにこやかです


kesyoujizou04.jpg

同じく車道にて。
アスファルトの上に、
お地蔵さんたちが、ひとまとめにして置いてあります。


kesyoujizou05.jpg

なかには、ペイントされているものもありました。


kesyoujizou06.jpg

少々古くなっています。


kesyoujizou07.jpg

あてのない私は、
このカラフルなお地蔵さんを捜し求め、
津母という集落に向かいました。


kesyoujizou08.jpg

集会場の庭です。
比較的新しいペイントのお地蔵さんたちが、
9月の若狭湾をバックに、勢揃いしていました。


kesyoujizou09.jpg

おやおや、頭が小石になっています。


kesyoujizou10.jpg

とても上手に塗られています。
お地蔵さんたちも喜んでいるに違いありません。


kesyoujizou11.jpg

後光が描かれています。
お地蔵さんの顔にはメイクを施していません。
スッピンこそ、本当の美しさが伝わる...
という思想でしょうか


kesyoujizou12.jpg

みんな、とってもキレイ(心からそう思っているよ)。


kesyoujizou13.jpg

右側のお地蔵さんは、
布団に入っているように見えます。
真ん中のお地蔵さんは、
おにぎり型とでも形容したくなります。
みんな総じて、ほがらかです。


kesyoujizou14.jpg
津母集会場の近くの草むらには、
無縁墓地がありました。
墓石の配置が、特徴的です。


kesyoujizou15.jpg

その墓地の脇には、
色のないお地蔵さんたちがいました。
色がないどころか、
形も判別しなくなっていました。
早く色が付くといいですね。

海と空の青、草花の色味以外に
原色が見当たらない田舎風景に、
合成着色されチカチカと輝くお地蔵さん。
それは、静かな風景のなかの異物であり、
違和感を感じさせます。
しかし、同時にどこか
ほのぼのとした愛嬌を感じさせたのも事実でした。


●丹後半島の化粧地蔵
京都府京丹後市伊根町津母/2007年9月/サカイ