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全人類に向けて謎のメッセージを発信する「細倉マインパーク」

B級スポット, 終末観光 | 2012.04.25

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鉱山跡地には、鉱山の観光施設や鉱山資料館が造られることが多い。
鉱山観光の目玉といえば、観光坑道が王道だろう。
私は、旅先で鉱山観光施設(マインパーク)を見つけると、
必ず立ち寄ることにしている。
そして今回、宮城県の細倉鉱山跡地で出会ったのが、
細倉マインパークだった。
ゴールデンウィークだというのに駐車場に車は数台しかなく、
閑散としている。



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早速入場料を払って中に入ると、
愛嬌のあるキャラクター・マインパーク坊やが
お出迎えしてくれた。


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ぼくをおすと各施設を解説する音声が流れる仕組みだ。
しかし、音声はマインパーク坊やのものではなく、
普通の女性の声だった。
普通の女性の声なのに、
語尾は必ず「であります」で終わっていた。

この時点で既に尋常ならざるものを感じたが、
まだほんの序の口に過ぎなかった。


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まずは、普通の鉱山展示が続く。


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鉱山事事務所のマネキンは、
怖いぐらいリアルに作り込まれていた。


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鉱山の展示が終わると、突然おかしなものが現れた。
「タイムとラベルゾーン」がはじまったのだ。
えっ、ここ鉱山じゃなかったっけ?


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そして、この怪しすぎる場所こそが、
ホソキュリアン遺伝子受胎空間だ!

色々とツッコミどころが満載なので、
一つずつ解説していこう。


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案内板によると、

「ホソキュリアンとは、細倉マインパークに生まれ、
人類と自然とのより良い関係を模索する新しい生命体です。」

「ホソキュリナは私たちの愛を象徴したものであるのです。」
とのこと。

お分かりいただけただろうか。


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さらに、
「皆さんにこの母体空間の中でメッセージが伝えられ、
赤ちゃん『ホソキュリアン』になっていただきます」

一部、意味がよく分からない部分もあるが、
ホソキュリアンにならなければいけないらしい。
ばぶー。


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遺伝子受胎空間が終わると、
レーザー光線に迎えられ、次のゾーンがはじまった。


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「神々との出会い」ゾーンだ。
削り取られた岩肌に、太陽・天・火の神など、
様々な神様が描かれている。
この流れは、なんだか妙な方向に傾いている気がする。


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え?そうなの?
ここで中間地点とは、この先が恐ろ楽しい。
後半戦のトップは「地球史紀館」だ。


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いきなり恐竜が現れた!
ここって、マインパークじゃなかったっけ......


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もう鉱山のことは忘れて、単純に展示を楽しもう。
鉱山のことは忘れて・・・


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続いて、「46億歳地球の歩み」のコーナーが始まったかと思うと、
いきなり壁画が現れた。


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古代エジプトの壁画に、大きな亀裂があることに気付いた。
そして、亀裂から中を何気なく覗いてみた。


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ツタンカーメンだ!
やばい。これはやばい。
ブラックライトに照らし出されるツタンカーメン。
亀裂から中を覗かなかったら、絶対にスルーしていた。
色んな意味でやばい。


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石を叩いて音を奏でるコーナー。
やれやれ、こうしたまともな展示を見ると、心が安らぐ。
演奏してみようと曲目を見ると、チューリップ、そして、日の丸!?
国歌の君が代でもなく、日の丸。
なかなか油断できない場所だ。


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続いては、「人知の及ばぬ地球のパワー」だ。
これは、火山の噴火を忠実に再現したミニチュア。


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この虹っぽいものが黒いカーテンに投影されているのが、オーロラだ!


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そして、いよいよ感動のフィナーレだ。
「ホソキュリアンからのメッセージを胸に、
一人一人が自然の法則と生命体の法則に意識を向け、
より良い環境を創造することによって、
私達の未来に平和で幸福な理想社会が構築できるのです。」

ここ細倉マインパークはただの鉱山観光施設ではなく、
人類にメッセージを発信する崇高な施設なのだ。
その理念を理解したところで、
造花で作られた緑のトンネルを抜けて外に出た。


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おつかれさまでした。
ええ、本当に。



●細倉マインパーク

宮城県栗原市鶯沢南郷柳沢2-3
観光坑道の入館料:大人900円
(現在、震災復興価格で入館料が半額の450円になっている)
火曜日休館
2011年5月/よごれん