奇怪!無数の石膏像が存在する廃小学校の巻
その他廃墟(廃屋・廃校・病院), 廃墟大図鑑 | 2011.09.18
最近廃墟ブログ「廃れゆく部屋」をはじめた
くまおさんから廃校のレポが届いたよ!
皆さんこんにちは、くまおです。
最近久しぶりに血液が逆流するほど
興奮した廃墟と出会いましたのでレポしたいと思います。
廃墟仲間の鬼束7段さんと一緒に
岡山県北部の廃校に向かっていたのですが、
運転中、会話に夢中になっている時に
僕の体内に何者かによって埋め込まれた
廃墟レーダーがあの時と同じく激しく作動したのです。
近づいてよくみると間違いなく廃校のようです。
その日に行く予定だった廃校ではないのですが立ち寄ることに。
グラウンドでゲートボールをしていたお年寄りたちにお話を伺うと
この廃校の卒業生たちでした。
学校の歴史を知る上で
卒業生たちの話ほど信憑性が高いものはありません。
この学校がいつ頃廃校になったのが訊いてみました。
不思議なことにバラバラの答えが返ってきました。
質問を変えることにしました。
この小学校、多い頃には100人以上の生徒がいたことや
校舎は3棟あったが1つは倒壊したことなど教えてくれました。
そして丁度終了時間だったので
彼らは帰って行きました。
そして僕たちは中にいます。
水色のような、淡いグリーンのような廊下に立っています。
学校に似つかわしくない物が
机のほとんどを占めていました。
なんでしょうか?
インクか薬品を入れる瓶のようです。
玄関にも沢山の段ボール箱が積まれており、
中には彫刻等や色鉛筆などが新品のまま放置されています。
この段階で廃校後、
明らかに別の用途で使われていることに気がつきました。
文房具用品の倉庫かと思いました。
学校の応接間のようですが
ひょっとしたら転用後の会社の応接間かもしれません。
応接間の壁には絵の入っていない額縁が
数個飾られています。
頭から血を流しています。
よく見ると赤絵具です。
「お前らもこうなるぞ」という暗示でしょうか。
そんなのが怖かったら廃墟探索なんかできません。
なんとも変わった残留物の学校ですが
それはそれで大変面白いし、この淡い色をした内装が
僕好みで夢中で写真を撮りました。
この懐かしいロッカーのある廊下を抜けると
隣の棟に続く渡り廊下があります。
まるでイギリスの庭園のようではありませんか。
行ったことないから知らないけど。
ふんふんふ~ん♪
隣の棟に入った途端、僕の鼻歌は止まりました。
先ほどの棟で2~3個転がっていた石膏像がこんなに・・・
教室に入ると、もっと無数の石膏像が壁に掛けられており
ざっと数えただけでも、
いや結局数えなかったのでわからないけど、
とにかく沢山あるのです。
そしてみんな僕たちを見ているのです。
普段あまり人と目を合わさない
シャイなあんちきしょー的な僕なので
本当に参りました。
変な汗が出てきて
あまり長居をしたくないなと思っていたとき、
僕はとても美しいものを見つけました。
僕がカメラを向けると恥ずかしそうに俯き、
ポーズをとってくれました。
いくら僕がシャイなあんちきしょーでも
彼女の期待には応えなくてはいけません。
僕は無心でシャッターを切りまくりました。
この辺で読者のみなさんが
ドン引きしているのは承知の上ですが
教室に入り込む柔らかな光に照らされた彼女は
本当に神秘的でした。
やっとこの建物の最終的な用途が分かってきました。
どうやら画材を作っていた会社の工場件倉庫のようです。
床には石膏像を制作するための型が沢山転がっていました。
あの美しいステファニー(※上記の女性像)も
大量生産されたのでしょうか。
でも僕にとって彼女はオンリーワンなのです。
バーバラ......じゃなかったステファニーに、
必ずまた来ることを約束し
僕は万感の思いで外に出ました。
日ごとに秋らしくなっていく
この頃の田園風景は格別美しい。
美しい廃校とジェニファー......
じゃなかったステファニーを見つけた後なら
なおさらです。
草木に埋もれたこの廃校に、
僕のハートを盗んだ彼女が住んでいます。
●「無数の石膏像が存在する廃小学校」
岡山県北部/2011年9月/くまお